本
『ちいかわ』を読んで、何かに取り憑かれた話

お盆の帰省から帰ってくると、家の様子が少しおかしかった。妻が、何かに取り憑かれたように延々とこう歌っているのだ。

トラさん
意味は全く分からない。ただ、これを寝ても覚めても歌っている。洗い物をしながら歌い、テレビを見ながら歌い、気づけばまた歌っている。聞けばこれは『ちいかわ』に出てくる「パジャマパーティーズ」という謎の団体の持ち歌らしい。あまりにも延々と聞かされ続けたので、痺れを切らして自分も興味本位で読んでみることにした。
正直、可愛いキャラクターが日常を送るだけの、いわゆる「ゆるキャラ系」のマンガだろうと思っていた。ところが読んでみると、思っていたよりずっと引き込まれる内容だった。

ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ(1)
¥1,100前後(2026年時点、Kindle版)
最初の印象は「可愛いだけのマンガだと思っていた」
表紙や見た目の第一印象は、まさに「なんか小さくてかわいいやつ」というタイトル通りだった。ハチワレやうさぎといったキャラクターの丸っこいフォルムを見て、子供向けの癒し系キャラクターものだろうと勝手に想像していた。ところが実際に読み進めると、キャラクターたちは「討伐」で報酬を稼いで生活しており、働きぶりによって評価やお給料が変わる、という妙に人間社会を思わせる社会構造の中で暮らしていることが分かってくる。

ミケさん
一番の魅力は「可愛い見た目とのギャップ」とキャラクターの個性
読んでいて一番惹かれたのは、キャラクターの見た目の可愛さと、時々顔を出すブラックユーモアや不穏な演出とのギャップだ。これは自分だけが感じていることではなく、『ちいかわ』はネット上でも「闇が深い」としばしば話題になっている作品で、弱肉強食の世界観や、ある日突然キャラクターが変異してしまう展開などが、その理由として挙げられている。可愛い絵柄に油断していると、不意に不穏な話が差し込まれるので、いい意味で気が抜けない。
もう1つの魅力は、キャラクターそれぞれの個性が立っていて、読んでいるうちに自然とお気に入りができることだ。自分の場合はうさぎが一番のお気に入りで、毎日読んでは元気をもらっている。特に気に入っているのが、わがままなモモンガとの掛け合いだ。モモンガは基本的に自分の欲望最優先で、嘘泣きも交えながら周りを振り回してくるのだが、うさぎだけはその手には一切乗らず、涼しい顔で華麗にスルーしてしまう。このモモンガにまるで動じないうさぎの飄々とした強さが、たまらなく好きだ。ちなみにお酒が好きなこともあって、栗まんじゅうのキャラクターにも妙な親近感が湧いた。
簡単な基礎情報は下記のような感じだ。
『ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ(1)』基礎情報
- 作者
- ナガノ
- 出版社
- 講談社(モーニングコミックス)
- 発売日
- 2021年2月12日
- ページ数
- 131ページ
- 評価
- Amazonカスタマー評価4.8/5(4,699件)
- シリーズ
- 全8巻(1巻時点)

トラさん
気になるのは「たまに本当に怖い」こと
ここまでは良いことばかり書いてきたが、正直に書いておきたいことがある。可愛い絵柄に油断していると、たまに本当に怖い演出が挟まれることがある、ということだ。
これは自分だけの感想ではなく、『ちいかわ』は「闇が深い」「怖い」というテーマでネット記事や考察がいくつも作られるほど、多くの読者が同じように感じているポイントのようだ。自分の意思とは関係なくキャラクターが変わり果ててしまう展開など、可愛さとのギャップも相まって、なかなかリアルな怖さがある。

ミケさん
まとめ
良かった点
- 1可愛い見た目と、時々のぞくブラックユーモア・不穏さとのギャップ
- 2キャラクターそれぞれの個性が立っていて、お気に入りができる
- 3短編ギャグのテンポの良さと、キャラクター同士の関係性
気になった点
- 1可愛い絵柄に油断していると、たまに本当に怖い演出が挟まれる(闇が深いとしばしば話題になる作品)

ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ(1)
¥1,100前後(2026年時点、Kindle版)
こうしてすっかり『ちいかわ』にハマってしまった私は、今日も相変わらず歌っている。

ミケさん